アクセサリー素材表記でよく見る「14K」と「14KGF(ゴールドフィルド)」という文字。
どちらも金(ゴールド)が入っているのはわかるけど…
「同じもの?」「どちらを選べばいいの?」と生徒さんたちからご質問を受けることが多いです。
本日は、教室でもよく話題になるこの違いを専門用語を使わずにできるだけわかりやすくお話してきますね。
■まずは『K』について
「K」は、karatの略で、カラットと読み、金の純度を24分率で表した単位です。
つまり、
24K=純金(100%の金)
24Kを100%として全体に対する金の割合で、18K、14K、10Kと変わります
●24K…約99.9%が金
●18K…約75%が金、残り25%は銀や銅などの合金(18/24)
●14K…約58%が金、残り42%は銀や銅などの合金(14/24)
●10K…約42%が金、残り58%は銀や銅などの合金(10/24)
■「14K」と「14KGF」の違いについて

最近、カジュアルなジュエリーやアクセサリーでは、『14K』と『14KGF』という表記をよく目にします。
アクセサリーを作る方、選ぶ方のために、今回は58%の純度のものを例にご説明します。
さて、どちらにも『14K』とついていますね。
しかしながら、実は全く同じ素材ではありません。
見た目はよく似ていますが、構造や金の含まれ方に違いがあります。
♢「14K」とは?
図の左側のように「K」は、素材の中まで金が混ざっている合金でできた素材で、先ほどもご説明した通り、14Kは、金が全体の約58%含まれている合金のことです。
・残りの42%は、銀や銅などの金属で、その割合を変えることで強度を出したり、色味を調整したりしています。
・純金(24K)に比べると丈夫で、変形しにくく、日常使いにもぴったりです。
つまり・・・「14K」は、素材全体に金が含まれている本物のゴールド素材です。
♢「14KGF」(Gold Filled/ゴールドフィルド)とは?
図中央のように、芯(内側グレー)の部分が真鍮などのベース金属です。そのベース金属の上に14Kの金の層を厚く熱で圧着した素材です。Filledは、どちらかというと”厚く貼ってある”というイメージのほうが近いです。
また、ゴールドフィルドに関しては、金の厚さが決まっています。
全体の重さの1/20(=5%以上)
どんな大きさのものでもその重さの5%以上なければゴールドフィルドといえません
ですので、メッキよりもずっと厚く、長く使っていても簡単には剝がれません。
※ちなみにメッキ(金メッキ=GP/Gold Plated)ですが、図の右側がメッキです。ゴールドフィルドは金の層が約100倍以上厚いのが大きな違いです。
ハンドメイドアクセサリーで、少しお高いけど人気があるのは、「高見えする」「長持ちする」「お手入れしやすい」という理由からなんです。
■両者の違いを比べてみましょう
【素材の中身】
14K…金が全体の約58%を含む合金
14KGF…真鍮の上14Kを厚く圧着したもの
【見た目】
14K…金そのものの輝き(金以外の金属で色味が変わる)
14KGF…表面が金そのものなので見た目はほぼ同じ
【耐久性】
14K…非常に高い
14KGF…メッキより丈夫、(お手入れで)長持ちする
【価格】
14K…高価(地金価格に左右される)
14KGF…手ごろで高見えする
【お手入れ】
14K…ほぼ不要
14KGF…汗や皮脂でくすむことがあるので、柔らかい布で服と良い
■どちらを選べばよいかは目的次第
♢長く受け継ぎたいジュエリーや特別な記念日には14K、18K
⇒金そのものなので、資産価値もあり変色しにくい
♢普段使いやギフト、ハンドメイトアクセサリーには「14KGF」
⇒上質感と手軽さを両立したい
♢気軽にいろんなデザインを楽しみたいコスパ重視の方は、「金メッキ」
⇒お手入れや保管方法によって経年変化も遅らせることができる
【講師目線から】
ハンドメイドアクセサリー人気で、「14KGF」は、
●メッキより圧倒的に丈夫
●アレルギー対応しやすい(方面が金なので肌に優しい)
●金の輝きが長持ちする
という理由から何年もまえから人気があります。
ただし、本物の14K(合金)とは、中身が違うので、販売ではきちんと『14KGF』と明記しておくのが信頼につながると思います。
■まとめ
見た目はとてもよく似ていますが、中身の構造が違うことで、「価値」や「メンテナンス」も異なります。
アクセサリーを選ぶとき、又は作品を販売、紹介するときに、きちんとこの違いを伝えられると、お客様にも安心してご購入、お使いいただけます。